青空に一刷毛の雲地に黄菊

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 昨日は、区民祭りから帰って、新聞を配りに行こうと思っていたのですが、血管が若いと言われて気を良くしたのに、疲労感が強く、産直の野菜を取りに行くのがようやくでした。

 

 今朝は、嫌がる主人の髪を散髪してから掃除をして、腰の調子を整えて、新聞を配りに行きました。行きは登りですが帰りは下り坂になります。

 正面に見える空は一筋刷毛で掃いたような白い雲が浮かんでいます。道の両側の家の庭には黄色い小菊が咲いていてようやくここ二、三日は秋らしい日が続いています。

 

 昨日のランチの時、一緒だった一人が、毛深くて若い頃は眉と眉の間がくっつくほどだったと言うのへ、他の人が「鬼平犯科帳の、一本眉・・・」私も同じ連想をしたので可笑しくなりました。 確か向田邦子のエッセイにも一本眉の女の話があったような気がして、本棚に残っている数少ない本のタイトルを探して「無名仮名人名簿」をめくって見ました。それらしいのは見つかりませんでした。

 

 代りに「拝借」に「悪いけど口紅かしてくれない」とホテルの洗面所で口紅を直しているときに、隣で化粧直しをしていた若い女性に声をかけられた話。厚化粧の彼女は口紅をつけ直そうとして、拭き取ってから口紅が無いことに気がついたらしく、必死のまなざしで、「貸して」と言ったようでした。借りて返すマナーもなっていなかった。

 

 実は昨日私も口紅をリュックの中に入れていて、洗面所でつけ直すことができませんでした。友人が自分の口紅を「使って」と言ってくれましたが、一瞬先を汚しては悪いという気持ちで、断りました。借りるとしたらどのようにしたら良いのか、小指で紅を取ってつけようか。とも考えましたが。

 

 「拝借」の中の若い女はそのまま唇に塗って、後を拭いもせず返して、ドアに体当たりするような勢いで出て行ったとあります。吹き出しそうになりました。

ページの色が煤けてしまっていますが、短いエッセイをパラパラめくって、向田氏の

ユーモアが懐かしく引き込まれていきます。