鈴虫の音も混じり来る庭の闇

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   書道の用紙が少なくなってきたので、買いたそうと思いましたが、まてよストックがあるかもしれないと気がつきました。リホームをした時に床の間にとりあえず片付けた諸々の中にあるはずです。

 

 上の箱から順に取り除いていって、書道の本や料紙、半紙の箱にたどり着きました。
食事会で歌の本を作ったときに表紙に使用した厚紙の裁断屑など不要な紙類も出て来ました。今日は資源ゴミの日なので、まとめて集積場に持って行きました。
処分用の衣類はポリ袋に詰めて明日のゴミに出そうと思います。

 

 片付けに午前中かかりました。午後はデイケアのボランティアに出かけました。
暫くぶりに会うKさんからお悔やみの言葉をいただきました。彼女のご主人は
この病院に三年入院して亡くなったそうで、覚悟が出来ていたそうです。そのご
お世話になったのでとボランティアに参加されるようになりました。

 

 主人も何度か参加したテーブルの側はちょっと胸が痛みましたが、思ったほどではなくいつも主人の隣で一緒に歌の本を覗いていたSさんは私に指を1,2,3と折って見せて「暫くですね」という意味だろうと解釈しました。あまり言葉が話せないのです。

 

 書道が終わってから飲み物を用意してくれる介護士さんが、今日限りで、此方の勤務がおわり、病棟の方に移りますと挨拶されました。具合が悪くなったら、病院の方で会えますね。というと「そうですねとも言えませんね。病気にならないで下さい。」と笑いました。

 

 夕食後玄関の窓を閉めようとすると「りーン、リーン」という虫の声に手を止めました。まさかと言う気持ちで外へ出てみました。前庭でこおろぎの声の合間にひときわ高い「リーン、リーン」という鈴虫の鳴き声がしました。こんなことは初めてです。どこかで飼っていた虫が逃げて来たのでしょうか。 

 

暗闇に目をこらしながら耳を澄ませていましたが、通る人にでも見られて怪しまれるといけないので家に入りました。