午後から雪と聞いていたので、主人を急かせて病院へ行こうと玄関を出ると細かな雨のような雪のような物が降りかかってきました。一番乗りかと思えば先客が三人いました。テレビの見える場所に座って待っていましたが、主人が「何処も悪くないから帰ろうかな」と言います。薬を貰うためだからと我慢させました。
診察後薬局へ行く頃にはぼたん雪が降っていました。薬局で時間がかかりそうなので主人に先に帰って貰いました。薬を受け取ってドアの外へ出て傘立てを見ると主人の傘が残っていました。薬局の人に聞きましたが他に無くなった傘は無いとのことなので
傘をささずに帰ったようでした。
雪は一向に止む気配はなく、昼過ぎに豆腐屋さんが来た時には道路にも雪が積もり始めていました。書道ボランティアも休みにしますと連絡が入りました。
雪を見たためか、主人が「いつ帰ろうかな。」といいます。「何処へ帰るの?」
「佐渡島」「もう佐渡には誰も待ってる人いないのよ。」「そんなこと無いだろう。」
「お父さんの家はここですよ。」なんてむごい返事かと切なくなります。
昔は実家へ行くのは冠婚葬祭の時ぐらいで、両親の話もめったにしない人でした。
ここへ来て時々、「お袋は二階にいるのか?」などという事があります。
心の奥には故郷への想いがあるようです。