片陰の下でしみじみ立ち話

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   昼近くに空模様が気になり、まだ渡していない二人分の新聞を配りに出かけました。蒸し蒸しして今にも雨になりそうで急ぎ足で坂を上りました。途中Sさん宅の前を通りました。ベランダに洗濯物が干してあるのが見えました。軽く黙礼をして過ぎました。

 

 昨日産直野菜を取りに行く途中Sさんに会いました。買い物帰りで両手に重そうな荷物をさげていました。私の近くに寄って来て「主人が先月亡くなりました。」と告げられました。班が違うので知らずにいました。

 

 普段会う機会があまりない方です。互いの長男が同学年なので昔はPTAなどで顔を合わせる事がありました。私も昨年夫を亡くしたのをご存じのようで、話をしたいと思ったのでしょうか。

 

 日差しが強く、道路の端の家並みの陰に入りしばらく立ち話をしました。癌の手術を
何度か受けていて、自宅療養中だったところ先月具合が悪くなり入院して5日目に亡くなったそうです。今は死亡後の手続きをしているところのようです。

 

 今まで目の前で食事をしていた人がいないのが信じられなくて、遺影を見ては涙を
流していると言います。一年前の私と全く同じだと思いました。時には笑顔も見せながら次々と話をされる顔を見つめながら、頷くことしか出来ませんでした。

 私よりも腰の具合が悪そうに見えました。どうぞ体をこわしませんように。