台風で、すっかり金木犀も散ってしまいました。数日前金木犀が散り道路を黄色く
染めていました。向こうから来る制服姿の女学生とすれ違いました。ふとこの辺では
見かけない少女だなと振り返りますと、金木犀の散り敷いた上を黒い革靴が踏みしめて
行くところでした。漂う香りがいっそう匂い立つように感じました。
若いって良いなあとつい頬が緩みます。ふと我に返ればカートに産直の野菜や干物、牛乳を詰めて、前屈みでふうふう引っ張っている自分の現実に苦笑してしまいます。
花の命は短くて・・・・・と言う句も浮かんだりします。はて、花の命といえる日はあったっけ?なんだかぼんやりしているうちに結婚、出産、子育て、仕事、定年、年金生活と過ぎてきて来てしまったような。特に何がしたいとか、こうなりたいとか、選ぶ事も無く、目の前の事柄を一つ一つ処理しているうちに今日まで来たように思います。
多分これからも、世の片隅で周りの移り変わりを眺めて、出来るだけ災難に遭わないように平凡に暮らしていく事でしょう。