バス待つ間眺めやる先帰り花

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 一人でバスを待つ間は手持ちぶさたで、バスの来る方向を眺めたり、行く方向を眺めたり後ろの空き地を眺めたりします。一番無難なのは空き地の方でしょうか。中程に

切り込んで丈の低い木に一輪花が咲いていました。梅の花にも見えます。

 

 花を咲かすこと無く凶悪な犯罪の被害者となってしまった、女性達の身元が判明して

顔写真がTVで流されています。なんともむごい事件です。親族の方々の嘆きはいかばかりでしょう。中に、元同僚と同性の人がいて気になります。

 

 30代半ばに勤めた会社の先輩で、電卓をたたく早さに驚かされました。当時は私はまだ計算はそろばんを使っていました。電卓を使ってみたいと、ソロソロ触っていると

その先輩が右手の人差し指、中指、薬指を置く列を一定にして動かすことを教えてくれました。毎日練習しているうちに電卓を見ずに打つことが出来るようになりました。

 

 その後、彼女は退職してアイスクリーム屋さんを開業しました。が発病してお店を閉じたと聞きました。

 私は、会社の移転で転職をしましたが、電卓はパソコンになっても経理の仕事をする上でどれほど役に立ったか知れません。未だに所属する会の会計の役をしているので

数字のキーをたたいています。

 

 もう何十年もご無沙汰してますが、被害者が親族の方でなければ良いのですが。といっては被害者の方には申し訳ありませんが。

北風に転がされたか花の鉢

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 今日の午後、ボランティアに出かけようと玄関を出ると庭の鉢が転がっていました。

風をよけて壁際に移しました。すぐそこまでなのでジャンパーのファスナーを閉めずに道へ出ると、風が正面から吹いていてジャンパーの前が広げられて、押さえて歩くのが骨でした。

 

 先日の木枯らし一号の時は友人が風で転び、鼻や唇をすりむいたとマスクをしていました。彼女は昨年も同じ頃自転車が倒れて目の周りなど腫らしていました。

 私は見かけ以上に体重があるというか下半身が安定しているというのか、風に吹き飛ばされる心配はないと思います。

 

 書道のボランティアの時にデイサービスに通っている男性の服装や靴を観察しようと思いましたら、男性は一人だけでした。他の男性はゲーム室の方に行っていて、あまり

参考にはなりません。今まで気にしていなかったので、主人の服装を整えるのに迷います。

 午前中、ネットでシニア向け衣類を検索して、ベストとズボンを注文しました。

希望すればネームも入れてくれるので、ネームありで買い物かごへいれました。

 後ほど注文確認のメールが届きました。ネームの記入が無いので、名前を記入の上返信して下さいとありました。

 全く、幾つになってもドジ子さんな私です。

夫と行く道を彩る濡れ落葉

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  今日は主人の主治医の診察日なので、区役所への介護保険申請依頼書の記入をお願いに行こうと、主人を促しました。昨日は行くと行っていたのに、今朝は行かないと言って聞きません。何をしに行くのだといつにない険しい表情で頑として聞きません。

 

 家にばかりいては、歩行も困難になるし、たまには外出して体を動かしたり、歌を歌ったりして楽しい事をするのも良いでしょう。そのためには介護保険を申請して

役所の許可がいるので、院長先生にお願いしに行くのだと、やっとの事で連れ出しました。

 

 病院の入り口近くで疲れたと立ち止まると、桜並木の紅葉した葉が濡れた道路一面散り敷いていて主人も「綺麗だねえ」と見とれていました。私は内心やれやれとほっとしました。

 

 書類作成上、いくつかの質問に答えなければならず、本人の前で最近の状態を

告げると「そんなことはない」といいます。自尊心を傷つけているようで私も切なくなりますが、過小申告しても良いことは無いので仕方がありません。

 

 診察を終えて帰宅すると間もなく、区役所の担当者が来訪する日にちの連絡がありました。「ご本人の前で聞きにくいこともありますので、最後に玄関先でお聞きしたいので宜しくお願いします。」との事。有り難い心配りと感心しました。

 

 

  

デイサービス選択惑ふ冬立つ日

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 今日は午前は自分の絵の教室があり、午後は大人のぬりえのお付き合いをして

お茶とおしゃべりで楽しい時間を過ごしました。

 夕方、ケアマネージャーさんが、数カ所の介護施設のパンフレットを届けてくれました。検討して、良いと思った所へ見学されてはどうですかとの事です。

 さっと目を通してから、主人に渡して見て貰いました。何処が良いかわからないと言います。

 

 夕食の後片付け後、それぞれの施設をネットで検索して見ました。歌が好きなので

カラオケのあるところを見ると9万曲揃えている所もありました。食事のサービスも

刻み食、ミキサー食を選べる所もあります。

 

 見れば見るほど、選択に迷います。明日もう一度主治医の診察して記入してもらう

書類があるので、明日病院へ行ってからの様子で決めようと思います。

 ああ疲れた!!

朝顔の咲いた数だけ実となれり

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 道路にこぼれた朝顔の種が芽を出して、石垣を伝いフェンスにたどり着いて花を咲かせて、毎日何個咲いたよと主人が楽しみにしていました。

 

 いつしか季節も晩秋になり、フェンスには朝顔の種がびっしりついています。殻が

割けてすでにこぼれているものもあります。道路に遅れて芽を出してようやく2輪咲いた朝顔も、しっかり二つ実をつけています。

 

 植物はどんな環境にも適応して生命を全うするのですね。いやそれとも大丈夫そうだと察知して生えてくるのでしょうか。

 

 先日向田邦子氏のエッセイをパラパラめくった時に、弁当の項があり、転校先で地元の女の子のおかずを食べさせて貰い、美味しいと言うと学校の帰りに家まで連れて行ってくれて、漬け物を取り出そうとして母親からとがめられ、東京から来た子が壺漬けを美味しいと言うから連れてきたというと、どんぶりに一杯壺漬けを入れて食べさせてくれたとか。

 

 私にも弁当の思い出があります。小学校の低学年だったと思います。お昼に弁当を

取り出そうとしたら、何処にも見当たりませんでした。その日私は弁当が無くてどうしたのか思い出せませんが、後日お弁当を盗ったという子の父親が我が家に謝罪に来ました。時々我が家に顔を出す人でした。

 

 その子の顔も名前も未だに覚えています。悔しかったとか憎いからとかではありません。その子の母親は継母だと言うことで、しかられては夜も軒先で寝かされるらしいと

聞いた事がありました。悪さをしてはお婆さんが近所に謝って歩くとも。

 

 そのうち小児麻痺で片腕が不自由になり、担任が教室に不在の時など、多勢の生徒を

相手に喧嘩をして、表から教室に石を投げてガラスを割ったりもしました。

 

その後私は転校してこれらの事は忘れていましたが、何かの折に彼が少年院に入れられたと聞きました。

 

 大人になってからはどうなったのでしょう。クラス会の時に聞く機会もなく消息はわかりません。きかん気な痩せた顔が思い浮かびます。私には弁当は盗られたけれど

意地悪をされたこともなく、そんなに悪い子には見えなかったのですが。

 

 あのときの弁当にはしょうびき(塩鮭)が入っていたと思います。よそ目には我が家は裕福に見えていて、きっと美味しいおかずが入っていると思ったのでしょう。

美味しく食べてくれたかどうか、何故か気になります。

黄落や枝先軽ろく空に映ゆ

     

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 食事会メンバーのO森さんのご主人の個展が今日からと案内の葉書をいただいていたので、あざみ野フォーラムへ出かけました。街路樹は黄葉して中にはすっかり葉を落とした樹もあり、枝をすかして見る空は青一色で登り坂も気にならずゆっくり眺めながら

会場へ向かいました。

 

 先月私達の絵画展を催した同じ場所が、O森氏の個展会場になっていました。飾り付けが終わる所でした。私が一番目の客だと歓迎されました。四国お遍路仲間だという友人が手伝っていました。

 今回は、四十八カ所巡りで訪れた、各札所の絵でした。絵画は独学と聞いていましたが、写実的で写真と見まがうほどの描写力に驚かされました。

 以前はご夫婦の個展でしたが、今回は婦人の作品が無いのが淋しく残念でした。

 

 帰りに市が尾駅のビル内のダイソーに寄って、主人の薬を入れる容器を探していると

私が俳句を始めるきっかけを作って下さったTさんにばったり会いました。

俳句などとても私には無理と思っていたのですが、新婦人で新しいサークルを立ち上げるべく嫌々ながら、Tさんにお願いしたのでした。

 

 ふるさと村へN田さんとTさんと私の三人で出かけて、林の中を歩いていきなりの吟行でした。さあ句を作って下さいと言われて、仕方なく「山道に落ちてるドングリまだ青い」これでは小学生にも劣りますが、第一作目なのでした。

 

 Tさんの手ほどきで曲がりなりにも句の形が出来てきたように思います。これからという時にTさんの体調が悪くなり外出するとめまいがして不安だと言うことで、句会に

参加出来なくなりました。最近は健康を取り戻した様に見えるので又ご一緒したいと思います。

 

 これから、OK森氏の絵を見に行くとの事でした。

 

 

青空に一刷毛の雲地に黄菊

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 昨日は、区民祭りから帰って、新聞を配りに行こうと思っていたのですが、血管が若いと言われて気を良くしたのに、疲労感が強く、産直の野菜を取りに行くのがようやくでした。

 

 今朝は、嫌がる主人の髪を散髪してから掃除をして、腰の調子を整えて、新聞を配りに行きました。行きは登りですが帰りは下り坂になります。

 正面に見える空は一筋刷毛で掃いたような白い雲が浮かんでいます。道の両側の家の庭には黄色い小菊が咲いていてようやくここ二、三日は秋らしい日が続いています。

 

 昨日のランチの時、一緒だった一人が、毛深くて若い頃は眉と眉の間がくっつくほどだったと言うのへ、他の人が「鬼平犯科帳の、一本眉・・・」私も同じ連想をしたので可笑しくなりました。 確か向田邦子のエッセイにも一本眉の女の話があったような気がして、本棚に残っている数少ない本のタイトルを探して「無名仮名人名簿」をめくって見ました。それらしいのは見つかりませんでした。

 

 代りに「拝借」に「悪いけど口紅かしてくれない」とホテルの洗面所で口紅を直しているときに、隣で化粧直しをしていた若い女性に声をかけられた話。厚化粧の彼女は口紅をつけ直そうとして、拭き取ってから口紅が無いことに気がついたらしく、必死のまなざしで、「貸して」と言ったようでした。借りて返すマナーもなっていなかった。

 

 実は昨日私も口紅をリュックの中に入れていて、洗面所でつけ直すことができませんでした。友人が自分の口紅を「使って」と言ってくれましたが、一瞬先を汚しては悪いという気持ちで、断りました。借りるとしたらどのようにしたら良いのか、小指で紅を取ってつけようか。とも考えましたが。

 

 「拝借」の中の若い女はそのまま唇に塗って、後を拭いもせず返して、ドアに体当たりするような勢いで出て行ったとあります。吹き出しそうになりました。

ページの色が煤けてしまっていますが、短いエッセイをパラパラめくって、向田氏の

ユーモアが懐かしく引き込まれていきます。